【ごあいさつ】

 30年前よりダンサーのみなさんを専門に治療をさせていただきました。
当時は、ダンサーの身体と一般の方を区別する認識力も低く、ダンサー専門の治療メニューもなく、一般の方と同じメニューを用いて治療を行っておりましたため、症状改善には現在より時間を要したと思います。
ダンサーの治療メニュー作成には数々の難問疑問に出会い、又その解決のため稽古場を見学させていただいたり、公演を鑑賞するというよりは 勉強として観てまいりました。多くのダンサーが通っているという治療院等にも出かけ治療体験も学びとして受診させていただきました。
 ダンサーの治療法は、一般の方とは考え方や技法において1ランク2ランク上位が必要に思います。
一般の方は、開脚時180°開かなくとも別に問題はありませんが、ダンサーは開いてあたりまえ、日常生活では全く問題のない身体でも「けいこ」時に痛みを伴ったり、左右上下肢のバランスで悩んでいるのではないでしょうか?
それは日常生活の動きとはかけ離れた難しい体位、脚を外旋外転するターンアウトが要求されるからです。
又、関節可動範囲も大きいため、全身の筋肉(インナーマッスル、アウターマッスル)、腱、靱帯が最大限動かされるからだと思います。
このように身体の使い方が一般の方とは 全く違うので「痛み」「症状」だけの一面からのみ捕らえた治療をするのではなく、全身のバランスを考えた多面的な動きを視野に入れ、 主働筋の作用、 補助筋の作用、 拮抗筋の作用診断による治療が必要になります。
ベッドで横(仰臥位、伏臥位)になっただけでは、異常箇所は発見しにくく、 もし横(仰臥位、伏臥位)になっただけの検査治療で終了したなら症状は再発しやすく改善にも時間がかかります。
バレエ、ジャズ、コンテンポラリーダンサー、サルサ、フラメンコ、アルゼンチン タンゴ、アイリッシュ・ダンスの治療には、トゥ・シューズを履いての検査をかならず行う必要があります、トゥ・シューズを履くことで、骨盤が大きく変化するため、腰痛の原因、膝関節痛、足関節痛等の問題を発見しやすいからです。
ダンサーのみなさんが自分の身体の構造はもちろん理解され、また毎日の生活で摂取される飲食物を理解できたら今以上スタミナでより高度なパフォーマンスが出来るでしょう。
これからダンスを始めるみなさんもご自身 の身体変化を観察する基準となり、楽しくなるのではないかと思います。
治療現場からのメッセージをお届けします。