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Q17: 疲労感があって咳もとまらない
A17: 当院はプロの声楽家(オペラ等)や声楽学生、楽器演奏者の方も来院されます。
みなさんにはかならず横隔膜の可動性検査は必須事項であり、さらにポアントを履いて頂き身体の引き上げを作っております。
声の発生には身体全体の引き上げが不可欠なのでポアントを利用して声を頭部上に引き上げております。
横隔膜障害は、声楽家やダンサーのみなさんだけの問題ではなく多くの人に関係しております。

◎横隔膜は胸部と腹部を分ける位置にあり、形状は傘のような幅広い形状です、肋骨と脊柱に付着し、呼気により上昇、吸気により下降することで、空気を肺に出し入れをしています。
 身体の引き上げを作ることにより、横隔膜の動きは最大可動すると発声はもちろん、激しい運動時にも深く静かに対応出来ます。

 横隔膜障害が時間の経過とともに症状認識されるものには、次の事例があります。

症例1
  発熱もないのに、3ヶ月前よりカラ咳と浅い呼吸で疲労感があり、医師より風邪と診断され薬を3か月服用したが症状変化がなく現在に至る。
原因
  新居に移転し、家具などの接着剤による気管支炎で横隔膜の緊張とだるさが出ていることが判明しました。
治療法
   「骨格のねじれ」「関節つまり」「神経の流れ」の改善と長期間咳が続いたため、横隔膜の緊張が身体の動きを制限しているので、横隔膜治療が中心となりました。
 生活指導としては、家具類に使われている接着剤(化学物質)による影響をさけるため、外出時も部屋の換気に注意すること。
 特に、就寝時の身体への影響は大きく、起床時の咳、身体の脱力感などを発症させるので、寝室の換気をお勧めしました。



症例2
   稽古のお休みのときは咳も出ないが、稽古場に行くとカラ咳の回数が多くなり夜間にひどくなり、風邪症状と診断され薬の服用したが症状変化なし、当院にて定期的に受診していたため発見しました。
 咳症状により胸部緊張で上半身の引き上げができなく、全身の可動制限も加わり呼吸は浅くなっておりました。
原因
  稽古場のエアコンから排出された、ダスト・カビによる咳でアレルギー症状でした、薬服用で症状の軽減は見られるものの根本的解決には至らなかったのです。
治療法
  横隔膜治療法は即効性があり、呼吸も楽に深くなります。
生活指導としては、当たり前の話ですが、エアコン内部の掃除をすることは必須です。

注)身体の疲労などが蓄積され、ダスト・カビなどの影響を受けた古傷(膝、足首、股間関節)は、激痛に変化するので注意が必要です。



症例3
   プロのダンサーではありませんが、毎週4〜5回の稽古量で舞台への準備をしておりましたが最近関節可動が悪く、呼吸が浅くなり疲労回復が出来ないという症状で来院されました。
原因
   検査では、同じ方向の動きの多様のため「骨格のねじれ」が発見されました、毎週4〜5回の稽古で「関節つまり」による横隔膜緊張で呼吸が浅くなり疲労回復が出来ないことが解明されました。
治療法
   全身治療と横隔膜治療をさせていただき最後に「神経伝達」で各筋肉に神経バイパスを作りました。
 ご本人はストレッチを毎日行っていたため、筋肉の伸展力は十分。「ア・ラ・セゴン」なども肩近くまでの可動性はありました。
 横隔膜治療後、さらに30cm位高く上がり、胸部の引き上げが今まで以上に楽になったようです。

 治療後は可動性が最大になりますが、その後少しずつ可動性が戻ってしまいますので、継続的なストレッチと、神経に欠かせない栄養素などの摂取が必要不可欠です。

※ ご本人の神経伝達が最良となる栄養素は、診療時にご紹介させていただいております。



◎横隔膜障害の発症する原因は…

 ・疲労が一番多いです
 ・空気の悪い環境です(ほこり、カビ、科学物質等の多量吸引)
 ・胸部疾患(結核、肺炎、悪性腫瘍、高熱等)
 ・胸郭部(胸部打撲、肋骨骨折等)
 ・化学物質(ポスター、雑誌、新聞など印刷物の匂い、接着剤、消臭剤、柔軟剤の多用など)
  クリーニング品なども寝室保管は避けたほうが良いと思います
 ・稽古場、職場、住居ダスト、カビ、動物の毛等、エアコン掃除を怠ると頭痛や吐き気、関節痛を伴なうこともあります

◎横隔膜が関与した症状では…

 ・深呼吸をしにくく、浅くなる
 ・呼吸が浅くなるので疲れやすい
 ・横隔膜の動きの制限は、肋骨にも影響を及ぼす
 ・肋骨の可動制限は、上下肢可動の制限となり、その影響は前後屈や側屈にも及びます
 ・脊柱全体の可動性、引き上げに問題が出やすい
 ・ア・ラ・セゴン、バットマン、アラベスクなどでは下肢挙上しにくい
 ・ピルエットの回転しにくい
 ・アン・オーが完成しにくい
 ※多くの症例は初回の治療で改善することが多いが、疲労状態改善には数回の治療が必要になる時もございます

 ※詳細は治療時に、ご紹介させて頂きます